2015年11月18日水曜日

水素水の効果とかニセ科学の類かと思ったら医者の臨床研究結果もあった・・・「怪しい商売“水素水”に手を出した伊藤園、水素が抜けにくいとは言ったが体に良いとは言っていない」

怪しい商売“水素水”に手を出した伊藤園、水素が抜けにくいとは言ったが体に良いとは言っていない

あー、これね・・・。伊藤園の直販サイトだけで販売している高濃度水素水ね。
今頃話題になっているが、実は還元性水素水っていう濃度記載のない水素水の方は、とっくの昔に
伊藤園から市販されているのよ。ほらね。
伊藤園 還元性 水素水 310ml×24本

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で、眉唾ものだと思うじゃん。STAP細胞だの、マイナスイオンと同じようなニセ科学の類だと思うじゃん。
私もそう思って、またコナミスポーツクラブやらクソアフィリエイターどもが煽ってんのかと思いながら、
ちょっと調べてみたら、なんか臨床論文だの、医師が効果検証をしているブログだのが出てきたから、
これ、どう判断したらいいものか困ってしまったんだよね。

京大助教による水素水に関する臨床研究論文。
水素水による肝線維化治療戦略
本研究は、近年活性酸素(フリーラジカル)の選択的阻害効果が注目されている水素水を用いて肝線維化抑制効果を検証する事を目的とし研究を開始した。In vivo 実験として、通常の水で飼育したマウス(コントロール群)と水素水を用いて飼育したマウス(水素水群)に肝線維化誘導を行った。肝線維化誘導の方法として肝細胞傷害型の四塩化炭素腹腔内投与、および胆管細胞傷害型の胆管結紮により肝線維化を誘導した。結果、四塩化炭素投与による線維化誘導に対しては有意な肝線維化抑制効果を示したものの、胆管結紮モデルにおいては明らかな差を認めなかった。両モデルの水素水に対する効果の差を肝傷害メカニズムによる効果の差であると考え、他の肝細胞傷害薬剤であるチオアセトアミド腹腔内投与モデルを用い、コントロール群と水素水群で比較を行ったところ、水素水による有意な線維化改善効果を認めた。これまでの結果をもとに考察するに、肝硬変を来す病態は数多くあるが、大きく分類すると上に示したように肝細胞傷害型、胆管細胞傷害型の2種類に分類される。両者とも肝硬変に帰結することが知られており、前者の代表例がC型肝炎、B型肝炎、アルコール性肝炎、生活習慣病に関連する肝炎であり、後者の代表例が小児の胆道閉鎖症、原発性胆汁性肝硬変などである。肝硬変は、その肝傷害機転によらず類似した組織像、臨床像を呈するが、傷害のメカニズムにより肝硬変の形成機序は異なるはずである。本研究の結果は肝硬変の形成過程において活性酸素の果たす役割が、両者の間で異なる可能性が考えられる。さらに肝硬変の治療を行うにあたり、その傷害機転により異なった治療法が必要である可能性を示唆する。今後、活性酸素が肝臓内のどの細胞に影響して肝傷害を引き起こしているのか、また水素水がそれをどのように抑制するかを調べることは肝硬変に対する根本治療を模索する上で意義深いと考える。

現役医師による水素水の効果検証の記録を公開しているブログ。
放射線治療の副作用を予防 | 水素水の効果効能
米国ピッツバーグ大医療センターのDr.中尾らの研究チームによって、
2011年に世界で初めて、水素水のヒトの臨床試験において放射線障害を軽減した報告がなされました。

<論文の概要>
放射線による人体への副作用として放射線照射によって発生する活性酸素が引き起こす酸化作用及び炎症によることが広く知られている。
放射線治療を受けた肝臓ガン患者49人を対象に放射線治療の副作用に対する水素水の飲水効果について臨床的に検討した。
水素水投与群25人、プラセボ群(水素を含まない水)に対して6週間投与により比較した。
その結果、水素水投与群はプラセボ群に比較して以下の改善効果が得られた。

1.活性酸素の生成を軽減した
2.放射線照射によって起こる生活の質(QOL)の悪化を改善した
3.水素水は放射線の治療効果を損なうことなく副作用だけを軽減した
歯周病の予防・改善 | 水素水の効果効能
岡山大の森田学教授(予防歯科)らの研究チームにより、
通常の水より水素濃度が高い「水素水」を摂取すると、
歯周病の予防や治療に効果があることが、ラットを使った実験で確認されました。
その根拠は、歯周病を悪化させる活性酸素が抑えられたことに起因します。

森田学教授らの研究チームは、通常のラットと、歯周病に罹患させたラットを用意し、
さらに蒸留水を与えるグループと水素水のグループに分けて4週間観察。
通常のラットでは、蒸留水よりも水素水の方がわずかに血液中の活性酸素濃度が減った。
歯周病のラットに水素水を与えると、蒸留水より同濃度の増加を3分の1程度に抑えられたという。

これら4種類のラットの歯茎を調べると、炎症が起こる際にできる細胞や骨を溶かす細胞などの量は、
通常のラット2グループ間では差がなかった一方、
歯周病の2グループ間では、水素水を与えた方が蒸留水より半減した。

これにより、歯石除去などの治療に加え、
水素水を飲むことで、歯周病の予防、治療に繋げられることが示唆されました。
私もこの水素水の学術的な研究結果を紹介している論文の元ソースまで確認したわけではないんだけど、
このブログ、読んだ限り特にアフィリエイトリンクとかないんだよ。別に特定の水素水商材やら、
水素水発生装置などの広告リンクがあるわけでもなく、上記で紹介した記事のような学術論文の
紹介や、自らの医院での水素水投与による検証結果をひたすら公開している感じ。

こうなると、全く眉唾ものとも言い切れないのかもなぁという感じになってきてしまったよ。

ちなみに、なんで伊藤園が、最初は水素濃度を公開しない水素水を市販で出していたのに、
あとから直販限定で高濃度を謳った水素水を出したかというと、この医師によるブログを読むと
理由がわかってくる。この記事ね。
水素水の水素濃度(水素量)が高いほど、効果が高い | 水素水の本当・ウソ
放射線の投射による細胞の生存率と水素濃度の関係を調査した実験により、
約0.4ppmまでは効果と水素濃度に密接な関係があり、
約0.4ppm以上になると効果と水素濃度は無関係になる、
ということが判っております。
これは、体内にある水素分子を感知する水素レセプターが数量的に一定であるためです。

また、中部大学の近藤教授らの研究グループにより、
水素水を摂取した場合、水に含まれる水素の約6割は体内で消費・吸収されず、
呼気時に体外へ排出されてしまうことが判っております。

これらをまとめると、水素水によって水素を摂取する場合、
水素濃度1.0ppm以下であれば、
水素濃度0.4ppmよりも水素濃度0.8ppmの方がより効果が得られますが、
水素濃度1.0ppm以上であれば、
水素濃度1.2ppmでも水素濃度1.6ppmでも効果は無関係ということが言えます。

水素水の水素濃度(水素量)が高いほど、効果が高い
⇒ 本当でもあり、ウソでもある
ってことで、これらの実験結果を踏まえると、水素濃度1.0ppm以上はあるものが望ましいという
ことみたいなんだよね。多分こういう結果などを踏まえて、水素水を選ぶ人が高濃度のものを
求めるようになった結果、伊藤園は高濃度を謳ったもう一種類の水素水を出したということ
なんじゃないかねぇ。

まぁでもいくつかの論文とか見る限りだと、水素水を飲む人が期待しているような症状に対する
効果に対する強力なエビデンス(証拠)はまだ示されていないんじゃないか?放射能に対する
細胞の反応だの、ラットを使った実験だの、まだ小さなエビデンスを積み重ねている段階という
印象を受けるねぇ。