まどか☆マギカの脚本を担当したことで有名な虚淵玄氏が、TBSラジオの「爆笑問題の日曜サンデー」
に出演した回がかなり面白かったのでメモがてらまとめ。
まどマギは魔法少女モノなんだけど、おもちゃを売らなくていいという縛りの無さが助かった。
例えばあるキャラの武器がおもちゃになっていた場合、途中退場という脚本は絶対に許されない。
武器が売れなくなってしまうから。まどマギは深夜アニメであるため、従来の魔法少女アニメのように
おもちゃ屋がスポンサーに付くのではなく、深夜アニメでよくある「製作委員会」がお金を出してアニメを
作り、DVDやブルーレイの売上で制作費を回収する仕組みだから「おもちゃを売る」という制約がなく、
自由度の高い脚本にすることができたとのこと。
脚本はあくまで設計図。まどマギに関しては自分の想像の斜め上をいく映像にしてもらえた。
映像としてのインパクトがでかい。キャラのシチュエーションなどをデザイナーが解釈して、この魔女は
人魚姫でいこうとか決めたらしい。
まどマギの話の展開は世間的には斬新に見えるかもしれないが、虚淵玄氏の出身であるエロゲ
業界では、魔法少女がひどい目に会うというのは割りと一般的なアイデア。だから、彼からすると、
地元の郷土料理をマンハッタンで屋台で売ってみたら大フィーバーみたいな感覚。
故郷じゃみんなこれ食ってんだけどなみたいな、意外と街の皆さんは食ったことがなかったという。
まどマギに関しては監督の意向でかなり自由にやらせてもらったみたい。ほとんどダメ出しなしで。
あとで監督に聞いてみたら、アニメ慣れしていないライターに、ちょっと変な脚本を書いてもらって、
それを強引に映像にするのが面白い絵になると踏んでいたらしい。虚淵氏いわく、
「逆にこっち疑ってましたからね。これ一稿通ったけど、コンテで違う話になってんじゃね、ぐらいの半分
諦めの境地で出していたら、ホントにマンマでコンテに上がってきて、いや、ないわーって思いながらww」
虚淵ファンからのお便りでの質問。
翠星のガルガンティアのレドなど正義だと信じてやっていたことが誤りだったと気づくような展開が
虚淵作品では多くあるが、虚淵氏は生きる意味を失うほどの裏切りを経験したことがあるのか?
という内容の質問に対して、自分というか親父が経験していたと答えている。
虚淵氏の父親は左翼の運動を頑張っていたけど、当時はソ連は楽園だと信じて運動していたが、
後にソビエトの収容所のひどい話などが聞こえてきて、がっかりして左翼をやめたらしい。
そんな経験などを親父から聞かされ、子供心ながらに虚無感を感じていたとのこと。
劇場版まどか☆マギカの新編「叛逆の物語」について
劇場で見たら体重減るんじゃないかというくらい、コンテ見てるだけで疲れたとのこと。
期待できる内容っぽい。