2014年3月5日水曜日

ビットコイン取引所Mt.Gox(マウントごックス)社CEOとみずほ銀行の交渉音声が流出

ずさんなプログラムにより顧客から預かっていたビットコインを不正に引き出され経営破綻した
ビットコイン取引所Mt.Gox(マウントごックス)社のCEO、Mark Karpeles氏とみずほ銀行の交渉音声
が流出しているようだ。音声の入り方から2014年1月30日12時に行われたCEOの音声メモのようだ。
http://picosong.com/Y7di/

37分もあるので、内容を要約すると、みずほ銀行側はFB契約(ネット回線から振込などができるサービス)
を自主的に解除して欲しいと要望しているものをMt.Gox側が理由がないと突っぱねているというもの。

適当にメモってみる。
CEOはフランス人だが日本語でみずほ銀行担当者と話している。
今回みずほ側は現場の担当が話をしている。前回は本部がCEOと話をしたらしい。
取引の中心はEUの銀行のようだ。
アメリカ人の客は30%。
アメリカのマネーロンダリングに使っている人の話。Mt.Goxでは違法な取引は禁止している。
この顧客はMt.Goxも使っているようで、アメリカ政府に挙動を報告したりしている。
Mt.Goxの取引客は110万人程度。うち半分は身分証を確認済みのAMLユーザー。
AMLっていうのが何を意味しているのかは不明だが、アンチマネーロンダリングの略ではないかと。
会社としてビットコインを持っているかとの銀行側の質問に持っていないとCEOは回答。
規制があるわけではないが、お客の入金タイミングなどがわかるから、不公平になってしまうため。
みずほ銀行のFBサービス(ネットでの振込サービス)を解約させて欲しいとのみずほ銀行からの要望。
出来る限りみずほ銀行の口座を使わないようにはするが、閉じる理由がないのでCEOは拒否。
みずほ銀行は強制的に解約をする選択肢もあるが、Mt.Gox側から任意で解約して欲しいとの要望。
CEOは、みずほ担当者からかなり強制的に一方的に解約してほしいとの打診があったとのことで、
要望を拒否している。
できることはするし、AMLのポリシーもあるが、みずほ銀行本部との話し合いで、信用がないとか一方的に閉じてくださいと言われたので話し合いができないと考えた。
CEOとしては解約して欲しいとの意向になっている理由を教えて欲しい。
銀行側はいろんなものの積み重ねで解約してほしいと考えている。決定的な何かがあるわけではない。
CEO「みずほ銀行にはビットコインは悪いものという考えがあるのではないか?」
CEO曰く、みずほ銀行の本部担当者から、他の銀行のFBサービスもやろうと思えば解約できると脅迫を受けた
ビットコイン取引所は日本には2,3社しかない。
1日の振込は1日5千万~2億くらいある。


ということで、ひと通り聞いた内容から判断できることをまとめると、
・みずほ銀行はアメリカなどでのマネーロンダリングの事例等、もろもろの情報からビットコインをうさんくさいものと考えていて、明確な理由はないもののリスク回避の観点からMt.Gox社とのFB契約(ファームバンキング、ネット振込サービス)を解消したいと考えている
・本交渉の前にみずほ銀行本部の人間がMt.GoxのCEOと話し、かなり一方的に、脅しも含めた高圧的な態度でFB契約を解除して欲しいと要求してきた
・それによりMt.Gox側の態度は硬化。必要な情報があれば開示するなど、協力する姿勢はあったのに、交渉の余地がないと判断
・今回のみずほ銀行現場担当との交渉。現場としても、ゴールはFB契約の解除ではあるが、Mt.Gox側は上記経緯を話し、解約の理由はないとのことで要望を拒否。ただし、みずほ銀行の利用額は少なくなるようにして、他のヨーロッパの銀行(シティバンク?)を使うようにしている

ということかと。話を聞く限り、このCEO、そんなに口がうまい印象は受けない。
やはりこの会社の破綻、プログラムがずさんだったことによるものなのではないかと思われる。
プログラムにどういうバグがあったのかはこの解説が詳しい。
Mt.Goxはどのようにしてコインを盗まれたのか?(サイバー攻撃の解説)