2014年10月5日日曜日

まるで良さがわからない・・「腕時計業界にベンチャー革命「ユニクロ式」で価格破壊」

腕時計業界にベンチャー革命「ユニクロ式」で価格破壊
 オメガが世界で初めて市販の腕時計を発売したのが1900年。13年後に日本ではセイコーの前身となる服部時計店の純国産腕時計「ローレル」が発売された。

 それから100年が経ち、腕時計は水晶振動子、クォーツ時計の時代に。大手が心臓部にあたるモーメントを供給し、商社や代理店が開発・製造・販売などを細かく分業するようになった。

 そんな中、製造から販売までをすべて自社で請負うメーカーが誕生した。社名はノット。日本製にこだわり、製造小売、今風にいえばユニクロ式のSPA生産を国内腕時計業界で初めて実現する。
なにこれ?全く良さがわからないんだけど。安い時計でいいって人は携帯の時計機能で十分って
考えているから時計市場の売上が減っているわけで、時計持ちたい人ってのは特定のブランドの
時計が欲しいってことでしょ。高級時計ならロレックスとかオメガとか、中級クラスならセイコー、
シチズン、カシオのオシアナスとか。時計はもはや実用品というより嗜好品なんだよ。
実用品としての側面が強い、服やメガネとは違うんだよ。こんなものが口コミや評判になるとは思えない。

実際、知り合いが付けているのを間近で見たが、セイコー、シチズンの主力価格帯の4~5万のものと
比較するとチープさは拭えないなというのが率直な感想だ。少なくとも高級感は全く感じなかった。
ここはマーケティングだけがうまい印象しかない。

製造から販売まですべて自社で手掛けるから安くていいものが売れますとか全然売りにならないから。
あと、ムーブメントを自社のものでなくシチズンのものを使用している時点でいわゆる時計業界でいう
自社一貫製造メーカーを指す「マニュファクチュール」 でもないし、何がいいのこれ?

なお、公式ページのキャッチコピーも噴飯ものだ。
Knot(ノット) / 最高峰のMADE IN JAPAN 腕時計ブランド
最高峰の日本製時計って、「嘘」だよね。価格、技術力ともに国内最高峰なのは、セイコーの
最高級ブランド、クレドールのミニッツリピーター機能を組み込んだこの時計だし、
http://www.credor.com/lineup/detail/?no=GBLS998
時計の中心部であるムーブメントすら自社で作れないところが「最高峰」を名乗るべきではない。

最低でもシチズンやセイコーの最高級クオーツ時計に使われている年差クオーツくらいは使って
いるんだろうな、と思ってスペック見てみたら、ムーブメントはMIYOTA(Citizen)1L45だって。
http://www.citizen.co.jp/miyota_mvt/download/pdf/spec_1L40-1L45.pdf
月差20秒の普通のムーブメントじゃねーかよ!最高峰を名乗りながら年差5秒のシチズンの
ムーブメントA660を使わないんだ。完全に誇大表記だね。参考までにA660のスペックはこれ。
http://citizen.jp/cs/guide/a660/index.html

この時計会社が名乗っていいのは、どんなに妥協しても「高品質」までであって「最高峰」を名乗る
資格のある会社でないことは一目瞭然。このキャッチコピーを名乗って恥ずかしくないのだろうか?

ちなみに、この手のシンプル系のデザインの時計メーカーで本当に評価が高いのはNOMOS(ノモス)
というメーカーの時計。
アマゾンで「NOMOS」を検索

NOMOSに関しては、このへんの時計師の説明が詳しいと思うけど、
イソザキ時計宝石店●時計の小話 第203話(人気のノモスについて)●
つまりは既存品を自社できちんと再度チューニングをするという手間をかけて仕上げている
機械式時計ということみたいね。値段も20万前後するけど。