私が研究者を辞めた理由
研究者の給料はご存知の通り安いです。私が大学教員になった時の給料は手取り20万円程度で、大卒の初任給と大して変わりません。もちろん博士号を取った後の話です。別にお金を儲けるために研究者になるわけではありませんが、あまりに少ないと生きていくのも大変です。結婚しても共働きが必須です。上記、大学の助教をやめた方のブログで、助教の給料が手取り20万円くらいだったと書かれている。
手取り20万が高いか安いかはひとまず置いておいても、そもそも助教になるのってかなり大変だ。
世の中ではポスドク、つまり博士号を取得した人が職につけないみたいな話が度々話題に上がるが、
博士号を取っても、多くの人は一般の会社で言う契約社員のような期間付きの非正規雇用の形態で
働くことが多い。大学の研究者の地位は、教授、准教授、講師、助教の順で、助教は昔助手と呼ばれて
いた大学の正規研究者の中では一番下の地位ではある。ただそれでも常勤の職であり、ポスドクが
溢れている現在ではかなり恵まれた職であるわけだ。
つまり相当優秀でないとなれない。それが大卒のちょっと給料のいい総合職であればもらえるくらいの
給料しかないというのはかなり驚いた。博士号を取って、さらに雇用不安定なポスドクを何年かやっての
職であれば、もっともらってもよいはずだが、大学研究者というのは全く割に合わない職業なんだな。
しかも元記事に書かれている通り、休みもそんなにないようで、働き詰めでその給料とのこと。
一番上の教授になるのだって、能力だけでなく、手がけていた研究がうまくいく、いいタイミングで
ポストが空くなどの運も必要だろうし、教授になったところで予算取りに追われ、研究は院生に
任せっぱなしなんてパターンもあるみたいだし、あこがれのマッドサイエンティストみたいな研究者に
なるのは、現実には難しいのかもねぇ・・。