リサイクル用マグネットを作りながら、傍らでロケットも作っている株式会社植松電機の植松努氏の
TEDプレゼンが良かったのでメモ。この会社はロケットも人工衛星も作り、無重力状態再現装置も
持っている会社。どれも売っていないから自分たちて作ったとのこと。
ただ、植松さんにとって宇宙開発は「夢」ではなく「手段」にすぎない。これがこの講演のテーマ。
「思うは招く」中学生時代母親が教えてくれた言葉。思っていたらそうなるよという意味。
樺太に住んでいて、ソビエト軍にすべてを奪われたおばあちゃんが教えてくれたこと
「お金は値打ちが変わってしまう。だからお金があったら貯金なんかしないで本を買いなさい」
頭に入れたものは誰にも取られないし、新しいものを生み出すという意味。
おじいちゃんとの思い出。アポロの月着陸で見たことがないほど喜んでいた。
おじいちゃんの笑顔が見たくて、ロケットの本を買ったらおじいちゃんが喜んでくれた。
だから植松さんは飛行機やロケットが好きになった。
中学校のときの夢はロケットや飛行機を作ること。自分なりに勉強をした。
でも中学校の先生は、そんな夢みたいなことを言ってないでテスト勉強しなさいと言った。
宇宙はよほど頭が良くてお金がないとできない、お前には無理と言われた。
お金が必要な夢、お金がないと無理な夢は誰かがしてくれるサービスにすぎない
知り合いに誘われて児童養護施設にボランティアに行ったときの話。
彼らは親からひどい目にあっていたので、最初は誰も近寄って来なかった。
一生懸命接していたら、最後には帰らないでと言ってくれた。
男の子が自分の夢を話してくれた。彼の夢は親ともう一度暮らすこと。
信じられないと思った。なんでひどい目に合わせた親のことをまだ愛しているの?と思った。
小学校に上がってすぐに担任の先生にものすごく嫌われたときの話。
植松さんが信じていたことやおばあちゃんが教えてくれたことはすべて否定された。
植松さんの夢をお前なんかにできるわけがないと散々言われた。
おじいちゃんがなでてくれた頭を先生に散々殴られた。
その先生は「どーせ無理」という人の自信と可能性を奪う言葉をよく使っていた。
植松さんの会社に来てくれたアフリカ人がアフリカの現状を教えてくれた。
アフリカでは自分なんて勉強したって無駄だ、努力したって無駄だと可能性を諦めてしまった人が、
最後には人を殺して奪うようになっていると。頑張れないから、生み出せないから奪うようになる。
みなさんは自分が宇宙開発をできると思っているか?
宇宙なんてよっぽど頭がよくないと、すごくお金がかかると思い込んでいないか?
国家事業だと思っていないか?そんなことを教えてくれるのは、やったことのない人たちだ。
やったことのない人が適当なやらない言い訳を教えてくれる。
そのせいで我々は何をすればいいか、何ができるのかわからなくなる。
だから植松さんは「どーせ無理」という言葉をなくそうと思った。
だから、誰もが「どーせ無理」 だと思われている宇宙開発をしてみようと思った。
ロケットは危ないから作ってはいけないことを知っていた。
でも神様がいた。神様が北海道大学の永田教授に会わせてくれた。
永田教授は奇跡的に安全なロケットを研究していた。
そして奇跡的にお金がなくて諦めようとしていた。
植松さんはお金はないけど物は作れる。そんな二人が出会った。
以来、植松さんは人の出会いには意味があると思うようになった。
植松さんと永田教授は助け合えた。なぜなら二人とも足りなかったから。
人は足りないから助けあうことができる。だから足りないことをバカにしてはいけない。
二人は助けあって、今では宇宙開発をできるようになった。
植松さんは「どーせ無理」をなくせばいい社会がくると信じている。
「どーせ無理」に負けない人はどこにいるのか?それはみんなです。
なぜなら僕ら人間は必ず小さいころを経験するから。
小さい頃はボタンがあったら押してみたかった。ハンドルがあったら回してみたかった。
そして余計なことをするなと怒られる。生まれた時から諦め方を知っている人間はいない。
自信を取り戻すためにはやったことがないことをやってみればいい。それだけで小さな自信が湧いてくる。
失敗はよりよくするためのデータにすぎない。
植松さんは小さい頃から飛行機、ロケットが好きだった。でもやったことのない人はできるわけないと
散々言った。でもお母さんは「思うは招く」と教えてくれた。思い続けたらできるようになった。だから
思い続けるって大事。
「どーせ無理」と言われたら、「だったらこうしてみたら」で夢は叶う。
元動画はこれ。
さて、私のようにこの動画見るまでこの民間での打ち上げロケットの全くなかった人は、
動画で出てきた北海道大学の永田晴紀教授の学会誌インタビュー記事を読むといいと思う。
日本機械学会誌「メカライフな人々No.27 CAMUIロケット開発者 ~火薬を使わないロケットの開発~」
このCAMUI(カムイ)ロケットというのは、つまり火薬を使わずにプラスチック(本当にただのプラスチック)
を燃料にして飛ばす小型ロケットのこと。永田教授によると、プラスチックは火薬よりも単位重量当たりの
熱量が多い上に、価格も15分の1から100分の1くらいなので、非常にコストパフォーマンスの高い
燃料とのこと。ロケット開発で非常にコストが掛かるのは、実は発射場のレンタルで、1週間で
5000万円もかかるようだ。安全管理に多額のコストが発生するためだ。CAMUIロケットは、小型な上、
燃料がただのプラスチックなので、火薬のように危険ではないため、発射場などを使わず、海に向かって
飛ばすみたいなことができるのが最大のメリットのようだ。なるほどね。
植松 努
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田原 実
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