しれないくらい神曲なんだけど、肝心の読み方がわからねー!なんて読むんだ読めねーよ!って
検索をした結果、春擬きと書いて「はるもどき」と読むことがわかった・・。これ、絶対読めないから
すべてのサイトはふりがなつけたほうがいいと思うぞ・・。しかしこの曲いいな。原作組によると、
詞の内容は原作をかなり汲んでいるらしいよ。やなぎなぎさん、歌だけでなく詞も担当したみたい。
詞を作るのにかなり原作読み込んだんだろうね。
しかし、由比ヶ浜結衣かわいすぎるな。2話のヒッキーに対する健気すぎる感情に刺さってしまった。
あ、そうそう、 春擬きの意味について調べている人が多いようなので、追記しておこうかと。
「春擬き」という言葉自体は存在しません。だから、やなぎなぎさんが作った造語です。
ただ、原作を読んだり、アニメをずっと観てきた人なら、なんとなく意味を察することはできるのでは
ないでしょうか?擬き(もどき)というのは、本物に似せているまがい物、偽物のことを言います。
春は一義的には季節の春ですが、青春だったり、恋や物事がうまくいく幸せな時間がやってくる
ことを「春がきた」なんて言いますよね。今回の春はそちらの意味の方に近いでしょう。
で、この作品の一貫したテーマとしてあるものは、「偽物ではない本物を探し求める物語」ということです。
作品の始まりの書き出しは、
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青春とは嘘であり、悪である。
青春をおう歌せし者達は常に自己と周囲を欺き、自らを取り巻く環境のすべてを肯定的にとらえる。
彼らは青春の2文字の前ならば、どんな一般的な解釈も社会通念もねじ曲げてみせる。
彼らにかかれば嘘も秘密も罪科も失敗さえも、青春のスパイスでしかないのだ。
仮に失敗することが青春の証しであるのなら、友達作りに失敗した人間もまた青春のど真ん中で
なければおかしいではないか。
しかし彼らはそれを認めないだろう。すべては彼らのご都合主義でしかない。
結論を言おう。青春を楽しむ愚か者ども、砕け散れ。
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ということで、本物、偽物というテーマが強く出てきたのはアニメでいうと2期からですが、
実は1期はじめのいの一番から、ヒッキーの嘘や偽物を嫌う姿勢というのははっきり出ています。
そこから始まるもろもろのストーリーがあっての「本物がほしい」のセリフというわけです。
ということで、そんな作品のテーマを感じ取ったやなぎなぎさんは、春擬きの一番印象的な歌詞に、
「こんなレプリカはいらない。本物と呼べるものだけでいい」
というフレーズを持ってきたわけです。
これらを踏まえると、春擬きの意味がなんとなく見えてきたのではないでしょうか?
春擬きとは、つまり青春ごっこのことであり、なんかみんな表面上楽しげに仲良くやっているように
見えるけど、実はそれって嘘だよね?葉山グループの上辺だけの関係、生徒会選挙後の、
本音も言えずに、奉仕部の存続のためだけに集まっている状態、由比ヶ浜も雪ノ下もお互いに
ヒッキーに対して恋心を抱いていることを知りながら、居心地の良い状態を維持するために、
現在の状態を維持して、「みんななかよく」を装っている関係。
こんなものは全部偽物だと。そんなものは青春じゃない、青春擬きなんだと。
そういうことを表したい造語なんだと思います。この作品の主題を的確に表現しているいい曲名だと
私は思います。
追記:
なんか気になって探してみたら、やなぎなぎさん自身が春擬きについて触れているインタビュー記事が
あった。
ナタリー「やなぎなぎ 「春」ではなく「春擬き」 「モドキ」ではなく「擬き」」
──「僅かな亀裂から いくらでも縒れて」「ぬるま湯が すっと冷めていく音がしてた」。いつも以上に言葉が強いし、みんながみんな、よかれと思って利他的な行動に出た結果、なぜか人間関係に悩む結果に陥っている、今の「俺ガイル」の展開にも寄り添っています。ということで、該当部分をちょっと抜き出してみたけど、
だから詞の書き方自体はいつも通りなんです。アニメを観たり、原作小説を読んだりしながらそのスピンオフ的な物語を作りつつ、その上で自分にも心当たりのある部分を探していくっていう書き方をしている。私にも「周りがよければそれでいいんじゃないか?」って思う瞬間はありますし、でもそれでいて、その「よければ」っていうのは本当にいいことなのか? 私にとっては“本物”のいいことなんだけど、周りの人たちにとっては“本物”のいいことなのか?って考えることもありますし。作中にも「本物がほしい」っていうフレーズが出てくることだし、今回はその“本物”に特化して詞を書きたかったんです。
(中略)
まず「ユキトキ」の次の「俺ガイル」の楽曲だからこのタイトルかなって思ったんです。「ユキトキ」=雪が解けたら、やっぱり次は春かな?って感じで。
──いや「擬き」だから、来てないですよね、春。
雪が解けたら“春のような何か”が待ってました(笑)。
──なぜ“春そのもの”は連れてこなかった?
「本物がほしい」と言っている(「俺ガイル」の主人公・比企谷)八幡くんもそうですし、「今、手にしているものは“本物”なのか、“レプリカ”なのか」って自問している私も、“そのもの”や“本物”を手にできていませんから。だから、詞を書き上げたばっかりの頃から「タイトルに『擬き』って入れたいな」と思っていたし、実際、仮タイトルとして「モドキ」って付けていたこともあって「春擬き」にしてみました。
・前作俺ガイル1期の主題歌が「ユキトキ」だから次は春ということで「春擬き」
・俺ガイルの重要テーマである"本物"に特化して詞を書きたかった
・俺ガイルの主人公である比企谷八幡もまだ本物を手にできていない。だから「春」ではなく「春擬き」と、「モドキ」という言葉を入れたかった
ということみたいですね。
やなぎなぎ
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