メイズ・ランナー(THE MAZE RUNNER)という映画を観てきた。一言で言うと、周囲を高い壁に囲まれた
場所に、記憶を失った状態で連れて来られた若者たちが、日の出ている間だけわずかに開く壁の
隙間の外にある迷路を走って探索し、出口を目指すという話。だからmaze(迷路)runner(走る人)。
これ観ていてすごく気になったのが、意図的に入れてるんじゃね?って思えてくるほど、いろんな人種の
俳優が混ざっていたこと。ハリウッド映画だから金髪の白人がいるのはわかる。ところが、重要な
役どころに黒人やアジア人までいるのだ。意図的にやっているのか、それとも意図的にやらされて
いるのか、そのへんが観ていてずっと気になったことだ。
ちょっと調べてみたところ、言及している記事は少ないのだけど、こんな記事があった。
無敵の太陽「ターミネーターが抹殺するアメリカ文化 / 人種混淆のハリウッド映画」
内容をちょっとまとめとくと、
・「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」のキャスティングが人種的配慮に基づくので魅力が半減しそう
・映画会社は多くの観客を取り込みたいからあらゆる人種・民族を引きつける役者陣にしたかったのだろう
・5作目ターミネーターの液体金属型サイボーグには朝鮮人俳優のイ・ビョンホンをキャスティング。米国と韓国の朝鮮人客を呼び込もうとしている映画会社の意図が見える
・ディズニーの名作アニメ「白雪姫」も、多人種主義で改悪された
・ディズニー氏も世界戦略を取る経営陣から、白人主義と受け取られ、、ヒスパニックや黒人、アジア人を無視していると判断されてしまった
・アメリカには映画会社に多様な人種を採用するよう圧力をかける団体が存在する
・映画やTVドラマに西欧系白人が多く出演しているから、その割合を低くしろ、という抗議があるそうだ
・人種の多様性で配役を決めるのは『ターミネーター』や『スター・ウォーズ』ばかりではない
・アメリカではもはや、西欧系俳優だけで映画を作る事なんて出来ないだろう
・人種比率の縛りがあるアメリカ人が、日本の漫画やアニメを観れば、その自由さに驚くだろう
ということで、読んでいてメイズランナーを観ていた時に感じた違和感の正体がわかってきた。
やっぱりハリウッド映画には人種比率の縛りがあるのか。ただし、映画に詳しそうな上記の人の
記事を読んだ限りだと、それは法律的な縛りではなくて、多くの人種の人に映画を観てもらうという
興行的な縛りであり、多様な人種を採用するよう圧力をかける団体がいることによる縛りでもあると。
う~ん、なんかこれ、気持ち悪いなぁ。映画とか、純粋に面白い作品を作ることに集中すればいいと
思うのに、なんでそんな配慮しなきゃならないんだよ。アメリカが幕末映画を作ったら、新選組に
白人も黒人も混じることになって、中世の騎士が出てくる物語にも黒人騎士や貴族が登場する
ということだよね、これ。ばっかじゃないの!