2015年10月19日月曜日

消滅したAppBank GAMESの元役員岩崎啓眞氏の評判が真っ二つに割れていて面白い

どっちなの白と黒♪って感じで、消滅したAppBank GAMESの元役員岩崎啓眞(ひろまさ)氏の評判が
真っ二つに割れていてかなり面白い。

最初に投稿されたのは、AppBank GAMESの社長だった宮川義之氏が上げたこの記事。
消滅会社 AppBankGAMESを終えて・ゲーム作りで大事なこと - hotmiyacchiの日記
ぶっちゃけ長すぎて私も全部読んでません。が、重要な部分をまとめておくと、
・当時株式会社enishの執行役員であり、課金デザインのエキスパートと主張をしていた岩崎啓眞氏をAppBankGAMESに迎え入れた
・しかし役員になったら副業入れまくって会社にあまりこなくなった
・仕事はすべて素人レベルでプロジェクトは炎上が続出
・岩崎氏の前職のニュージーランドと韓国の会社に実績の確認を取ったら、全く使えない人であったことが判明。水増し経歴のアレオレ詐欺だったと
・しまいには仮病で休んで競合他社であるグリーのサーガ・オブ・ファンタズマの開発に携わっていることを自慢しだす。秘密保持契約に完全に違反している
・さらに、社長の悪口を書いた怪文書を社内に週一で流す
・最終的にはクラウド上の企画フォルダを全部消し、さらにはエース開発者をたぶらかして辞めさせるという大損害を与えて退職

ってのが大体の内容。これだけ読むと岩崎啓眞って奴はなんてひどいやつだ、経歴水増しの口先
だけの最低野郎だなって思うでしょ?ところがどっこい、この文章が推理小説で言う信頼できない語り手
である可能性が浮上してきたのだ。なんとAppBank GAMESの退職者であり、上記元社長の記事で
出てきたエースエンジニアの小野まさし氏が当時の炎上案件の状況とともに岩崎啓眞氏の印象を
述べているのだ。
A-Liaison BLOG: AppBank GAMESを退職していました(元記事削除によりキャッシュへのリンク)

端的に言うと、この人から見ると岩崎氏は本当に課金デザインのエキスパートであり、無能だったのは
社長の方だという内容。これもまた長いのでちょっとまとめておこう。
・AppBank GAMESは3回の大きな社員の反乱が起きて、最終的に潰れた
・岩崎氏のこのゲーム(Dungeons and Golf)はクソだという発言は現場の総意だった
・岩崎氏は経験と知識は間違いなく底が深くて、当時のF2Pのゲームの定石についてもまるで詩経を諳んじるがごとくに次々に語っていた(F2PとはFreeToPlay、つまりアイテム課金の無料ゲームのこと)
・F2Pについて社長含め全員が素人だったのを岩崎氏は改革しようとしてよく社長と衝突した
・リーダーシップのない社長のせいでデスマーチになり、社員が辞めまくった
・岩崎氏が他人を勧誘して引き抜いたという宮川元社長の主張は大嘘。初めっからみんな辞めたがっていた
・元社長は受託案件により復活をしたと書いているが、別に社長は何もしていない

とのことで、悪いのは社長だと書いている。


も~~~~~~~、わっかんねーよ!主張が正反対じゃないか!
ただ、予想外だったのは、AppBank GAMESの元社長に反論してきたのが、言及されている岩崎氏
ではなく、元社員だったというところ。しかもこの人の文章の核となる部分は、岩崎氏の擁護というより、
なぜAppBank GAMESでは多くの退職者が出たのかという経緯に関してなんだよね。
赤の他人が元いた会社が潰れた経緯を語る体で嘘を付いて岩崎氏を擁護するみたいな、そんな
まどろっこしいことするとは思えないし、おそらく彼から見た真実ではあるんじゃないかねぇ。

結局部外者は信頼できない語り手問題をどう解決して真実を見極めればよいのだろう?
多分元社長の方も嘘を付いているわけじゃなくて、本人にとっては真実なんだろうけど、
バイアスがかかりまくって事象が歪みまくっているということなんだと思うんだよね。
でもそんなの読んでて絶対わかんねーわ。

とりあえず事実っぽいところだけ抜き出すと、
・宮川元社長と岩崎氏は仲がものすごく悪かった
・AppBank GAMESのプロジェクトは度々炎上し、社員が大量に退職した
・最終的にAppBank GAMESは潰れた
の3つだけかな。この3つに関しては真逆の主張をする信頼できない語り手たちが一致した発言を
しているので、事実と取ってよいだろう。これ以外は、
の可能性が大いにあるため、事実とは判断しないほうがよいだろう。特に、
・宮川元社長は岩崎氏を憎んでいる
・小野氏は宮川元社長を憎んでいる
ことがそれぞれの記事から読み取れるので、それぞれの記事でヘイトが向かっている対象人物
に対する記述に関しては時空が歪んでいる可能性があるということだ。なので、これらの文章を
読んで、例えば宮川元社長が悪いやつという判断を下すのも早計だ。小野氏の宮川元社長に
対する記述は信頼出来ない可能性がある。

なんかリアルでもネットでも、この信頼できない語り手問題はそこら中に存在していそうな気がするな。
そして、やっぱり回避手段がわからん。つまり私の中でこの問題の解決の目処が全く立っていない
ことが問題なのだよ・・・。