【モスクワ=田村雄】ロシア国防省の報道担当のコナシェンコフ少将は3日、シリア国内で行っている空爆で、新たに15か所のイスラム過激派組織「イスラム国」の拠点を破壊したと発表した。ん?これなんでロシアまでISIS(イスラム国)を攻撃してるんだ?世界の警察として動きたがるアメリカが、
今回の空爆は2日昼から3日未明にかけて行われたといい、ロシア軍による空爆は先月30日の作戦開始から昼夜を問わず連日、続いている模様だ。
インターファクス通信によると、ロシア軍が攻撃したのは、いずれも「イスラム国」の拠点。北部イドリブ県にある爆弾や地雷の製造工場や、北部ラッカの地下壕ごうなどだという。
米国は、ロシア軍が「イスラム国」が活動していない地域も攻撃していると批判しているが、コナシェンコフ氏は3日、「『イスラム国』の活動地域は、無人機によって24時間体制で監視を続けている」と反論した。
イラクの治安を悪化させた張本人としての責任としてISISに空爆を仕掛けるというのはまぁ納得
できるんだけど、ロシアってISISの勢力拡大による脅威、なんかあったっけ?
探した限りだと参考になりそうなのはこの記事かねぇ。
ロシアにも宣戦した「イスラーム国」の脅威
それではISISに対してロシアはどのような立場をとっているのだろうか。ロシアは一貫して、ISISに対しては強く批判する姿勢をとっている。それは、ISISがイラクのみならず、ロシアが支援してきたシリアのアサド政権をも脅かしているだけでなく、後述の通り、イスラーム運動の拡大はロシア自身にとっても深刻な脅威となるからだ。ということで、関連箇所だけ抜き出してみたが、つまりは、
(中略)
ロシアとしては、米国の世界政治における「横暴」を防ぎたいだけでなく、米国による空爆が対ISISという目的を超えて、ロシアが支援してきたアサド政権の勢力圏などで行なわれ、結果、アサドを失脚させることにつながることを危惧しているのである。
(中略)
さらに、ロシアを震撼させているのがISISの野戦司令官によるロシアに対する宣戦布告である。その野戦司令官は、タルハン・バチラシヴィリ、通称:オマル・アル=シシャニである。チェチェン人と報じられているが、本名からするとグルジア系であろう。
アル=シシャニはイスラーム戦士1000人をつれてモスクワに復讐すると宣言している。ISISは既にイラクでの目的をほぼ終えつつあり、次はロシアをターゲットに据えているという。その宣言に先立ち、ISISはインターネットでもロシアに対する宣戦布告をしていた。同ビデオでは、戦闘員たちがシリアのラッカ空軍基地で奪取したというソ連製の戦闘機のコックピットに座ったり、機上に立ったりして、その一人がプーチンに対し、チェチェン及びコーカサスを解放して、イスラームのカリフ制国家を建設すると宣言しているのである。
(中略)
このようなただでさえイスラーム過激派によって不安定化している北コーカサスにISISの影響が加われば、ロシア政府にとって大きな脅威になることは間違いない。
・ISISはロシアが支援しているシリアのアサド政権を脅かす存在
・ISISはロシアに対して宣戦布告をしている
・ISISはロシア連邦で政情不安定なチェチェンやコーカサスを脅かそうとしている
ということで、ロシアに対して既に脅威となっている存在みたいね。