村上春樹氏の本を読んでいたら、社長からつまらない文学を読んでいる暇があったらビジネス書を読め
と言われた質問者が、その意見をどう思うかと村上春樹氏に質問をし、それに回答をしている。
これ、面白いので全文引用する。
そうですか。たしかに文学ってあまり実際的な役には立ちません。即効性はありません。実におたくの社長のおっしゃるとおりです。言うなれば、なくてもかまわないものです。そして実際にこの世界には、小説なんて読まないという人がたくさんいます。というか、むしろそういう人の数の方がずっと多いかもしれません。へぇ、という感じなんだけど、ちょっと面白いと思ったのが、普段はそんな書き方しないのに、
でも僕は思うんですが、小説の優れた点は、読んでいるうちに、「嘘を検証する能力」が身についてくることです。小説というのはもともとが嘘の集積みたいなものですから、長いあいだ小説を読んでいると、何が実のない嘘で、何が実のある嘘であるかを見分ける能力が自然に身についてきます。これはなかなか役に立ちます。実のある嘘には、目に見える真実以上の真実が含まれていますから。
ビジネス書だって、いい加減な本はいっぱいありますよね。適当なセオリーを都合良く並べただけで、必要な実証がされていないようなビジネス書。小説を読み慣れている人は、そのような調子の良い、底の浅い嘘を直感的に見抜くことができます。そして眉につばをつけます。それができない人は、生煮えのセオリーをそのまま真に受けて、往々にして痛い目にあうことになります。そういうことってよくありますよね。
(結論)小説はすぐには役に立たないけど、長いあいだにじわじわ役に立ってくる。
この質問の回答に関しては、最後に(結論)をまとめていること。これ、ビジネス書のフォーマットだよね(笑)。
多分村上氏はわざと意識的にこの書き方をしたんじゃないかなぁと思った。
そういえば昔はよくビジネス書読んでいたな。そして文学書は昔から読まなかった。
だから、この質問者の社長のの意見はわからなくもないけど・・ビジネス書もそんなに役に立たない
ものが大半じゃないか?勝間和代の本を読んで一体何人が勝間和代みたいになれたんだ?
ちきりんこと元マッキンゼーの伊賀泰代のいうことを真に受けて「自分の頭で考えて(笑)」大企業から
転職したら、土下座をしてでも元の会社に戻りたいみたいな状況に陥ってしまった人は何もこの人
だけではないだろう。
転職のリスク事例・・「元日立社員が転職を激しく後悔! 「土下座してでも戻りたい」にネット「失敗じゃない。次行けばいい」」
ということで何が言いたいかというと、ビジネス書だってそんなに賞賛されるほど役に立つ素晴らしい
著書なんて数多くはないだろ?ということ。
かと言って、「嘘を検証する能力が身につく」ってのは別に小説だけの特典とも思わないけどねぇ。
だってこれ、つまり「面白い作り話(つまり嘘)」と「つまらない作り話」の違いがわかるということでしょ?
それならドラマでもアニメでもおんなじことじゃん。
ということで再度結論。ビジネス書も読みやすいだけでくだらないの多いし、役にも立たないよ。