2013年7月26日金曜日

宮本茂、糸井重里、岩田聡(任天堂社長)によるピクミン3の対談が面白い

宮本茂はどういうふうに構造をつくっていくのか。 「ピクミン3」に結実したもの
これ全8回とかなり長いんだけど、読んでいて面白かった。
グラフィックが綺麗になり、ゲームハードの性能も上がり、複雑性が増し、面白さがわかりにくく
なる傾向にある中で、いかに要素を減らし、ゲーム本来の面白さをシンプルに表現するかに
こだわったとのこと。知らなかったが、ピクミンって手下を使って効率的に仕事をしていくゲーム
だったのか。ちょっとおもしろそう。

面白かったところをちょっとまとめてみると、
・今のゲームは要素をどんどん足していくから構造が複雑になってわかりにくくなっている
・カラーテレビになった時代、テレビ局はニュース番組の机に花瓶を置いた。カラーであることを活かすため
・テレビでしかできないこと、ゲームでしかできないこと、そのハードでしかできないことにこだわるのはちょっと違う。上記のカラーテレビの花瓶のような滑稽な現象が起きてしまう
・「制約はクリエイティブの母」。アートじゃなくて商品を作っているという制約があるから、売れるという制約(=目標)が定められ、どこに向かって頑張ればよいのかが明確になる
・室町時代の人でも面白いと思える、根源的でわかりやすい面白さを追求したい
・ ピクミン3は仕事の段取りやマネージメントを「見える化」したゲーム
・元々は「マリオ128」というマリオが128人出てくるデモゲームを作ったときにピクミンの着想を得ている。この128人のマリオを動かしてゲームにするには「一定時間内にどれくらいの仕事ができるか」というルールにすればうまくまとまると
・海外と宮本さんのゲームの作り方の違い。海外のゲームデザイナーは、ゲームの世界観を「デザインドキュメント」という何百ページもある一冊の本レベルのものにまとめ上げる
・一方宮本さんは書類一枚にまとめる。逆に書類一枚にまとまっていなければだめだという
・宮本さんは骨組みさえしっかりつくれば、あとはプロジェクトの規模に応じて肉付け度合いを変えればよいという考え方
・ピクミン3は初心者も熟練者も楽しめる設計になっている。時間制限がないから初心者でも時間をかければクリアできる。でも熟練者ならもっと時間を短く達成することができるので、そこがやりこみ要素。


なるほど、面白そう。私はアトリエシリーズはやったことあるんだけど、あれは材料を組み合わせて
アイテムを作るゲームで、ゲーム途中から妖精という自分の能力をいくらか落としたお手伝いを
何人も使って材料の入手やアイテムの合成を効率的に行ったりするんだけど、あれをもっと
段取り、マネジメント要素中心に振ったようなゲームなのかな?それも面白そうな感じ。


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