2016年5月5日木曜日

OB訪問ではわからない日本経済新聞社の元記者が匿名で書いた社風や業務の話

この記事、読んでて面白かったので紹介。
池上彰氏の凄さと限界
いわゆる大手のメディア企業の記者にまず最初に求められるのは、
「昨日聞きかじったばかりのことを、あたかも以前から詳しく知っているかのようにしゃべったり書いたりする能力」である。
なにしろ、日々、いろんなことが起こるのだ。
なかなか深堀している暇などない。

そうこうして、キャリアを積んでいくうちに、それぞれの専門分野ができていくわけだが、
大半の人は、きちっと専門分野を確立する前に、デスクや管理職になったりして、だんだんと現場から離れていく。
記者職としてキャリアを全うする人(編集委員とか論説委員とか解説委員とか)は少数派だ。
日経新聞の元記者の人が匿名で書いている池上彰論で、要は彼はかなり多岐にわたる分野で
物事をわかりやすく説明できるところは凄いけど、知識に深さがないところに限界があるよ、
という内容なんだけど、個人的にはそっちよりも、元記事から伝わってくる日経新聞やマスコミ業界の
仕事、というものの一端が垣間見れるところが面白かったと思う。OB訪問じゃわからない内容かと。

「昨日聞きかじったばかりのことを、あたかも以前から詳しく知っているかのように書く能力」か。
この人、池上論を書くのかと思いきや、話が脇道に逸れまくってたりして、それ元記者としてどうなのよ
って感じなんだけど、おかげで記者業に関していろいろ見えてくる文章になっている。

「昨日聞きかじった~」のくだりも、自身の例として、貸方借方もわからずメーカーの取材をしてたとか、
ソニーの美人広報に取材したら、めっちゃわかりやすい資料をたくさんもらって、それまとめるだけで
記事が書けるなと思ったとか、記者業の浅さ、というのが読んでいて見て取れる。

だから、深さを求める人は、記者業はやめたほうがいいんだろうね。

あと、日経新聞は地方支局が貧弱で、ずっと東京で過ごせるみたいよ。
そういえば、朝日だかに内定をもらった先輩が、最初は地方で一人で一通りやらされる、みたいな
ことを言っていたから、元記事の人も書いているとおり、他の主要新聞社だと、まずは地方に行って
修行というルートが一般的なんだろうね。日経だけはそれがないと。

この元記者の人によると、池上彰の本には取材力や洞察力からくる凄みを感じないが、
手島龍一氏や田勢康弘氏の著書にはそれがあるとのことなので、記者業に興味のある人は、
読んでみてもよいのかもね。


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