2013年5月15日水曜日

「人間対コンピュータ将棋」頂上決戦の真実【後編】が面白い

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35787
今回も面白かった。ちなみに前編は下記。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35657
前編はざっくり言うと三浦八段が電王戦第5局のGPS将棋と対局をする前のインタビューが中心。
後編は、対局中の勝負どころに関する描写、第5局対局中に行った他の電王戦棋士達への
インタビュー、開発者達へのインタビュー、対局数日後の三浦八段へのインタビューなど。

気になったところをいくつか。

最初に話題として上がっているのが、おそらく下記46手目の7六銀と指した手に関して。
電王戦第5局棋譜
ここは誰の目にも思い浮かぶ(私は思い浮かばないけどw)のは6五歩とのこと。なのだが、検討
すると、これだと三浦八段の情勢が悪くなることがわかり、控え室での正解は7六銀だったそう。
そして三浦八段は7六銀を指したと。
ここに関しては対局後、複数の棋士に意見を求めたが、やはり7六銀が6五歩よりもよかったよう
なのだが、それでも思ったほど情勢がよくならなかったようだ。結局、いろいろ棋士達と話した
結果の今となっても悪手は特になかったようだ。

他、興味深かった話題。
・第1局で勝利した阿部四段は習甦との事前対局で把握していた癖をついて勝った
・阿部四段はボーカロイドが好き
・阿部四段は田舎育ちなので、近くに強い人もあまりいなく、ネット将棋をよく指していた
・第4局で引き分けた塚田九段はもし第3回電王戦があるなら運営委員をやってみたい
・塚田九段が考える現状の電王戦の問題点は条件が公平でないこと。ソフトの提供が棋士にない
ことで、ソフト側は棋士の癖がわかるのに対し、棋士側はソフトの癖がわからない点。
・第3局のツツカナは出場棋士5人全員に提供された
・条件を公平にするためにツツカナ開発者の一丸氏は船江戦用に開始早々七四歩を指すよう
プログラムした。これはソフト事前提供による船江五段の研究を外すとともに、船江五段の師匠の
井上九段がときどき使用した作戦を使うことで彼自身にとっても馴染みのある手にするため

15ページもあるのでかなり長いが、読み応えがあっていい記事だった。

ちなみに将棋ソフトは今回のGPS将棋を含め、強いソフトが無料でダウンロードできるらしい。
GPS将棋ダウンロード
Bonanzaダウンロード