31歳の自分の誕生日に何か時計を買おうかなと思い、ピアジェやパテック・フィリップで悩んで結局買っていないのですが、そんな中「腕時計投資」なる概念を知り、面白いなと感じたので紹介します。いや、高級腕時計も基本的には消費でしょ。購入した金額よりも高く売れるなら「投資」だけど、
腕時計は実は30万円以上の場合は法人では経費にならず資産計上しなければなりません。他の財やサービスと異なり、価値が下落しにくい。アパレルは一般的に買値の5-10%程度で売れれば御の字ですが、高級腕時計の場合は最低半値程度で売れることも少なくない。それくらいは私も知っていました。
「腕時計投資のすすめ」という本で、買値より高値で売ることもできる。腕時計は投資になり得るのだと理解しました。
売却時に購入金額より安くなってしまうなら、それは「消費」だから。そして高級腕時計は3年毎に
オーバーホールと呼ばれる分解掃除が必要で、スイスの高級腕時計は安くても5万、高い時計だと
10万以上するので、それも含めた金額よりも高く売れなければ「投資」にはなりえない。
じゃあ例えば、昔木村拓哉も着けていて、プレミア価格が付くことで有名だったロレックスの
クロノグラフモデルであるデイトナの一番安いモデルの定価とヤフオクでの売価でも見てみますか。
ロレックス定価表
これによるとロレックスのデイトナステンレスモデルでリファレンスナンバー(型番)116520の定価は
1,123,200円。一方ヤフオクでの落札相場は、こんな感じ。
最近30日| 「 116520 」 の 落札相場一覧
う~ん、直近で定価越えたの1件しかないじゃん。しかも利益になるような差額じゃないし。
ここから言えるのはね、人気の高級腕時計を買っておけば、値上がって買った時よりも高く売れる
から投資にもなりますよ、なんてのは幻想だということ。少なくとも、自分の好きな時計を買ったら
それが後で値上がって利益になるなんてケースはかなりレアだと思っておいたほうがいい。
なんせロレックスのデイトナですらこの状況なんだから。本読んで洗脳されるとかバカすぎ。
もちろん、かつてのバスケットシューズのエアジョーダンや、ジャニーズの狭い箱でのライブチケット
のように、手に入れることが出来たらプレミア価格で必ず売れるみたいなものも中にはあるだろう。
でも、それはもはや趣味で腕時計を買う場合ではなく、本気でビジネスとして腕時計を買う場合だよ。
つまり、自分の好き嫌いというのは一切無視して、情報を集めて目利きを磨いて、数少ない
将来プレミアが付く商品を見極めて腕時計を仕入れる、というやり方になる。それは中古屋さんや
プロの株投資家がやっていることと同じだよね。自分の身に付ける時計を選ぶのにそのアプローチ
を取る奴はいないよ。だって好き嫌い無視した商売としてやるアプローチだから。
まぁそれでも投資商品になりうる時点で「高級腕時計って嗜好品ではなく投資にもなるってご存知ですか?」
は正しいだろというなら、もう別にBOOKOFFの100円コーナーで高く売れる古本を探しているせどり
どもにも全く同じことが言えるじゃん。
「古本って嗜好品ではなく投資にもなるってご存知ですか?」ってね(苦笑)。
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