2015年12月6日日曜日

星野リゾートがトマムを売却したのはホテルの所有ではなく運営に特化したいから

星野リゾートがトマムを中国系に売った理由
1991年に、僕が星野リゾートの社長になったときから、星野リゾートは「運営会社になるんだ」ということを掲げてやってきた。基本的には(不動産や建物の)「所有」と、ホテルや旅館の「運営」を分離する方針だ。

もともと「星野リゾート トマム」は米国系ファンドのグローブが80%を所有しており、星野リゾートは20%しか持っていなかった。われわれはこの10年間、トマムの運営をやってきたし、これからも運営を続けていく。
あー、なるほど、そういうことだったのね。別に中国の会社に売った事自体は、日本への観光客が
相次いでいるし、特になんとも思わなかったけど、売っちゃうんだ、とは思っていたから、この記事
読んで理由が理解できたのはよかった。

そっかそっか、ホテル事業というものには2つの要素があって、1つは投資としての要素。莫大な
資金を用意して、収益が見込めそうな物件を所有するという要素。これは資産価値を上げて
売却をすることができれば大きな利益を得ることができる一方、多額の資金が必要になるため、
短期間で多くの施設を開業していくようなスピード感のある展開ができず、また資産価値の上下落の
リスクを負わなければならないと。

で、もう一つの要素が運営としての要素で、こちらは投資と異なり資産を持たずに済むので、
投資リスクを負わずに済むと。持たざる経営というやつだね。星野リゾートはホテルの投資会社に
なりたいんじゃなくて、運営会社としてスピード感を持って多くの施設を運営していきたいから、
別にトマムの所有にはこだわらなかったということなのね。

そもそも今までトマムの所有をしていたのは米国系の投資会社だから、どこかでイグジット(売却)を
して利益を確定させなければならなかったから、星野リゾートの運営方針を理解して、引き続き
「運営」を星野リゾートに任せつつ、「所有」をしてくれる会社が必要で、それが中国のフォースングループ
だったというわけね。

この「星野リゾートは運営会社になるんだ」というポリシーは、この会社を理解する上で重要な
キーワードになりそうだね。

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