電王戦が創設されて、昨年は米長先生が負けた。今年は現役棋士が出るとは言え、自分のところに回ってくるのは当分は先だと思っていました。来年以降のことはもちろん何も決まっていませんが、その見解は甘過ぎたようです。第1局(先鋒戦)でプロが勝ったので、その1局目は見てなかったんだけど、まぁやっぱりプロの方が
強いんだろうな、くらいの印象を持っていた。
第2局(次鋒戦)からなんとなく観だして、プロが負けたときはプロの面汚しとかかなり中傷を受けて
いたけど、まぁアクシデントくらいの印象を持っていた。
第3局(中堅戦)で船江五段が負けたときは、観戦者も動揺していて、あの有望若手の筆頭株の
船江五段が負けた(ざわざわ・・)、みたいな感じで、この辺からコンピュータに対する評価に関する
雰囲気が変わってきたように思う。
第4局(副将戦)は引き分けになったが、内容的には負け試合、でも塚田九段は昔強かったが
ピークを過ぎている人のようなのでここでは評価は特に変わらず。3局での負けのほうがギャラリー
には衝撃が走っていた。
そして第5局(大将戦)。見ていて、三浦八段本人や、観戦者のコメントを見る限り、特に悪手は
なかったらしい。その上でA級3位(71期の成績ベースでは2位)の三浦八段が負けたということは、
もう羽生さんや渡辺さん、森内名人くらいしか上にいないことになる。
こうして振り返ると、やはり3局と5局の負けは相当大きくて、第2回電王戦以前と以後では
コンピュータ将棋に対する評価がまるで変わってしまった。
電王戦以前はまだプロの方が強いくらいの認識が大半だったと思うが、電王戦以降はこの
第5局の負けにより、コンピュータは「トッププロレベル」という認識になるのだと思う。
渡辺竜王の言うとおり、もうGPS将棋に勝つとしたら、彼クラスの人が出るしかないのかもしれない。