公認会計士が足りなくなっている。上場企業の決算をチェックする会計士の作業は会計ルールが複雑になって増えているのに、会計士試験の合格者は減少。監査法人の採用枠を下回る状況が続いている。若手会計士を確保しようとする監査法人同士の競合が激しくなる一方、中小の監査法人では採用を断念するケースも出ている。このニュース見て、あれ?会計士って余ってるんじゃなかったっけ?いつのまに足りなくなったの?
とかなり疑問に思っていたのだが、 大手監査法人シニアマネージャーだった人ががその理由を
匿名記事でかなり詳しく解説していてようやく納得が行った。そうか、そういうことだったのね!
何故、余っていたはずの会計士が足りないのか。
ここ10年くらいの会計士需給の変遷に関して解説をしている。詳しくは読んでもらうとして、ざっくり
まとめておく。
・金融庁は2005年まで1308名しかいなかった会計士合格者を、2006年になって3108人と爆発的に増やした
・2008年から上場企業に義務化された四半期決算制度と内部統制報告制度(J-SOX法)で需要が多くなることが理由
・そのせいで、一流企業に連れて行くのが恥ずかしいような質の低い会計士が増えた
・2008年にリーマン・ショックが起き、コンサルティング収入や監査収入が大きく減った
・監査法人はup or out(出世できなければリストラ)の世界。会計士は担当する大手企業から契約を切られれば出世が終わる
・そのため、監査報酬を減額しなければ契約を切ると大手企業から言われたら従うしかない弱い立場
・監査法人内でのリストラが始まり、多くの会計士が大手企業の経理などに流れた
・アメリカの会計士は30万人程度なのに対し、日本は3万人程度しかおらず、一見少なく見えるが、アメリカの会計士は税理士業務も包含しているため、日本の税理士約7万人を含めると、日本はアメリカの3分の1くらいの市場なので別に日本の会計士が少ないわけではない
・金融庁は民間の会計士需要が満たされていることを認め、2011年には合格者を1500名まで縮小させた
・受かっても再就職できる試験に身を投じる社会人は少ないので、会計士の受験者数は下げ止まらず、よって需要が回復しても合格者数は増えないという状況が現在
とのこと。何これ怖い!一番怖いと思ったのは、金融庁の一存で、会計士の合格者数をここまで
増やしたり減らしたりできるんだということ。合格、不合格が点数じゃなくて、金融庁の意向によって
決められるとかいう不安定さがやばすぎるな・・。