2015年9月27日日曜日

川島なお美さんの肝内胆管癌への対応の誤りを指摘している勤務医の記事が秀逸

肝内胆管癌について「“とんでもない医者”との出会いも……川島なお美、がん手術決意するまでの葛藤明かす」「川島なお美さん、手術後は抗がん剤治療拒み民間療法」
医学的には
民間療法は生命予後を改善しません。
早期の診断と手術が
最大でほぼ唯一の
有効手段です。

また、
こういう科学的根拠のない民間療法を
>難病にも効果が見られる
とか書いてしまうマスコミも
どうかと思います。

記事を書いた方が
実際に自分の家族が難病で
金の延べ棒でこすってもらって
喜んでいたら
満足されるのでしょうか?
これね、本当そうだよね。別に個人的に川島なお美さんには悪感情も良感情もないのだけど、
民間療法に頼ったという「間違った判断」を美談に仕立てるマスコミの記事には憤りを感じるわ。

別に民間療法でも、ニセの薬と比較をして統計的に明らかに効果があると判断できる証拠を揃える
ようなスタンスでやっているなら全然いいのだけど、民間療法って全然そういうのやんないじゃん。

金の延べ棒とか、あとアガリクスだのプロポリスだのもそうだけど、たまたま別の要因で治ったかも
しれないような稀有な事例を挙げて、がんが治ったとか主張するの、どう考えてもおかしいよね。

ちなみに別に私も民間療法を完全否定しているわけではない。こういう事例もあるからね。
脚気と悪者森鴎外

これは当時原因が不明だった「かっけ」という病気に対して、海軍軍医の高木兼寛は、パンや麦飯を
食べることで症状が出なくなることを観測していたので、その手法を実施して海軍から脚気患者を
出さなくしたのに対し、当時最先端のドイツの最近医学を学んでいた陸軍軍医の森鴎外は、それを
前時代的な民間療法だと批判し、頑なに陸軍のパン、麦飯の導入を拒んだため、結果として陸軍から
数万人もの死者を出したという大失態を犯したという事例。

じゃあこの当時民間療法の類と考えられていた麦飯と、今回の金の延べ棒の違いは何かというと、
ちゃんと結果を正しく観測しているかどうかだと思う。作用原理は不明でも、病気が治るという
結果が統計的にたしかに観測されているものなら民間療法でもなんでもやればいいと思うんだけど、
そういう結果の観測を正しくやらずにデマばかりを流し続ける大半の民間療法はホントクソだと思う。