2015年12月8日火曜日

常総市議会議員遠藤章江による水害対応猛残業職員へのタダ働き要求発言全文書き起こし

茨城県常総市で2015年9月10日に発生した水害により、市職員が残業代100万円を超えるほどの
猛残業を強いられたにも関わらず、市職員にタダ働きをさせるよう働きかけた、常総市議会議員
遠藤章江(ふみえ)による12月4日定例本会議での一般質問に批判が集まっている。

発端は毎日新聞のこの記事。
常総市 | 市職員、9月分給与100万円超も 水害対応で、残業最高342時間 /茨城 - 毎日新聞
  常総市は4日、関東・東北豪雨への対応で残業し、9月分の給与が100万円を超えた職員が十数人いたことを明らかにした。水害が発生した9月10〜30日までの残業時間は最高で342時間だった。市議会で遠藤章江氏の一般質問に答え、傍聴席の市民から大きなため息が出た。

 市側の答弁によると、勤務可能な全492人の同期間の平均残業時間は139時間だった。給与100万円以上は主に係長で、部長らには管理職特別勤務手当を平均で11万9000円支給。残業代と手当を合計すると1億3000万円に達するという。

 遠藤氏は「もらう権利はあるが、全国から来たボランティアが無償で働いている中、市職員が多額の給与をもらうことに市民から疑問の声が上がっている」と指摘。給与が高額にならないよう、災害時の特別給与体系の創設を求めた。岡田健二・市総務部長は「全国の自治体の例を調べ、国とも協議したい」と検討する考えを明からにした。【去石信一】  
これに対して遠藤章江氏は質問の主旨が異なると、当人のブログ記事で反論。
毎日新聞の記事 - 常総ルネサンスへの道
12月5日の毎日新聞に、私の一般質問に関連した
記事が掲載されました。
私自身、新聞の内容は確認しましたが、これは一般質問で発言した中の
一部の言葉をとらえ記事にしたようです。
私個人としては、このような言葉尻だけを抜き出し、都合のよい具合に
記事をまとめ上げ、質問の内容を正確に伝えていない新聞の書き方については
誠に不快に感じております。
この場で、どんなに弁明をしても、おそらくご理解は得られないもの
と思っております。
「一部の言葉」ということで、偏向報道の可能性もあるかなと思い、一般質問の動画が公開されてから
全部観てみたが、毎日新聞の記事、偏向報道ではなかったね。「特別手当制」という表現を
用いて、つまりは職員の残業代に上限を設けて、それ以上はタダ働きをさせろと主張しているので、
動画を全部観た上で、やはりタダ働き要求であったと私は解釈している。

動画内で出てきた選挙の特別手当に関しては下記の記事が参考になるかと。
選挙事務の裏側に迫る。投票所の事務作業日当3万4千円は高いか安いか - エキレビ!
【選挙事務はこんなお仕事】
─── 投票事務って結構な日当が出る、というのをよく耳にするのですが、実際のところ、いくらもらえるんですか?
職員A 地域やそもそもの役職によっても違うとは思いますが、僕の場合、投票所作業での日当は約34000円になります。
職員B 私もですね。開票作業は約11000円。
つまりは先に述べたとおり、上限を設けた定額制にするという意味だ。後述の遠藤章江発言の
全文書き起こしで出てくる保険料云々のくだりは、一応それらしい理由を付けたということだろうが、
それは過剰労働による高額な残業代を上回るものではないし、定額タダ働きし放題制度の提案を
裏付ける正当な理由にはなっていない。

で、1次ソースとしての配信動画は下記なんだけど、
平成27年11月定例会議 12月4日本会議一般質問 遠藤章江議員
これ、ほぼ1時間もあって、しかも動画に目次もないからものすごく観にくいのよ。
なので、動画全体の目次を作った上で、該当箇所の遠藤章江の発言を全文書き起こした。
動画見るのが面倒な人は、下記の書き起こしで「一部の言葉」ではなく「全文」がわかるかと。


まずは動画全体の目次から。遠藤章江の質問は大きく4つに分かれている。
1.洪水ハザードマップ作成の経緯について(3:00~)
2.災害時災害後の職員の人事配置、労務対策、災害時の給与支給について(15:00~)
3.現状の防災協定の役割と今後結ぶべき必要があると考える防災協定について(31:20~)
4.災害後の入札状況について(40:00~)

15分から始まる2の質問が、今回のタダ働き要求発言の該当部分になる。 この中でも25分以降の
部分は、職員の災害時の動員の仕方に関する質問になるので、それ以前の部分までの遠藤章江の
発言を全文書き起こして下記に記載する。問題発言の箇所は太字で記載をした。
市役所の部長らの答弁に関しては、そんなに重要ではないので書き起こさないが、気になる方は
元動画を観るとよいかと。


【遠藤章江:15:00~】
続いて2番目の質問をいたします。
災害時災害後の職員の人事配置、労務対策、災害時の給与支給について
お答えをしていただきたいと思います。


【総務部長による答弁】


【遠藤章江:18:19~】
はい、ありがとうございました。実は災害時の職員の残業代というのは
常総市に限ったことではなく、いろいろな地域で必ず問題になることです。
それがやはり1億4400万円だったということで新聞にバンと出まして、
やはりこれ、市民の間でかなり話題になっているので今回質問させて
いただこうと思ってます。

私は9月10日の午前2時40分に市役所に入りました。呼び出しがかかって。
それからずーっと9月10日の午後9時、夜の9時まで役所にいて、
皆さんが不眠不休で本当に一生懸命働いている姿も見ておりますので、
働いた残業代分、当然貰う権利があるっていうふうにも思いますけども、
実際市民の声っていうのはなかなか厳しいものがあります。

まあ私達議員に対しても、給与は全部寄付しろとか、賞与はカットしろとか、
必ず市民と対峙するとこういう言葉を投げかけられます。

まあ本当にそれも致し方ないことだと思っておりますけども、
実際、職員に対してはやはり残業代はカットしたほうがいい、
貰わないで頑張ってほしい、なぜならばボランティアに来ている方たちは
残業代がないじゃないかと、ボランティアの方たちは、無償で不眠不休で
働いているじゃないかと、そういう中で市の職員が残業代をもらうっていうのは
どうなのかと、こういう厳しい意見もあることは事実です。

ですから私は、もらうなということではないですけども、やはり今回の災害で
どれぐらいの人件費がかかってるのか、こういうことを少し明らかにして
いただきたいと思います。

分かる範囲でいいのでお答えいただきたいと思います。
今回残業した職員の人数、残業代として支払われた残業の総額、
最長の残業時間、一番長く働いた方の残業時間、時間外手当の平均額、
時給にすると今回の残業代どれぐらいになるのか、また、ひと月の給与が
100万円を超えるような職員がいたのかどうか、また管理職に対しては
残業代はどのように手当をしたのか、以上について分かる範囲で結構ですので
お答えください。


【人事課長による答弁】


【遠藤章江:22:20~】
はい、ありがとうございました。まあ今ねえ、はあってため息こぼれましたけども、
実際100万円以上超える職員は結構、どの自治体のときの災害でも何人もいるんですね。

で、阪神淡路大震災の時だったと思うんですけど、1600万円ぐらいの給与を
支給する職員が出たっていう話もちょっと聞いてます。

ですからまあ決して珍しいことではないんですけども、ただ私心配しているのはね、
やはり職員の健康管理をしっかりしていただかなきゃならないっていうこと、
あともう一点は、ひとつこれは、社会保険料の問題なんですね。

今回災害がね、9月に、9月10月と起こってたからいいんですけれども、
もしこれが4月5月6月に起こってたとするとどうなるか、そうすると
社会保険料っていうのは、4月5月6月の平均給与で決まってくるわけですよ。

そうすると、ここの時点でたくさん残業してしまって、給料が通常の
2倍も3倍もなってくると、社会保険料、その方が払わなきゃなんない
社会保険料が3ヶ月の平均になってくるとものすごい額になるんですよ。

そうすると1年間、職員の方の生活を圧迫してくるようなことになる。
ですから、逆に言うと、災害時で残業代が多かった、多くもらったっていうのが
今の時期でよかったなっていうふうに思うんですね。4月5月6月であれば
1年間本当に社会保険料何万もね、給与、普通の基本給が低いのに何万も
払わなきゃなんなくなる、こういうことが起きます。

ですから私は今、給与がすごく増えてしまった職員もいるっていうことで、
ため息出ました。それも受け止めなくてはならない。ですから逆に、
どうでしょう、選挙のときに行うような特別手当制にして、やっぱり災害時の
特別な給与体系、これを今後早急に検討していく必要があるんじゃないか
っていうふうに思うんですけども、これについて、今後どのように
見直していくのか、お考えがあったらお聞かせいただきたいと思います。


【総務部長による答弁】


【遠藤章江:24:50~】
はい、ありがとうございました。やはりあの、市民感情っていうのは、
必ずこういう災害時はあります。ですから、あの、本当に公務員っていうのは
市民のための奉仕者であるっていうのがやはり市民の一番の考え方だと
思いますので、その辺を少し考慮して今後の検討課題にしていただければ
幸いだと思います。

あともう一点ですね、私がこの役所内でずっと24時間過ごさせてもらって、
見てきたんですけれども、職員の動員の仕方、これは1次動員、2次動員、
3次動員っていうふうにかけて、職員を招集していく、そういうやり方が
あるんですけども、それについてちょっと説明してください。


【総務部長による答弁】

以降、職員の動員の話題なので書き起こしここまで。