カレーチェーンの都市伝説
話題になっている記事だったので読もうと思ったらなぜか消えていたのでキャッシュから拾ったものを
ここに残しておくことにする。
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ハウスがココイチを子会社化するタイミングなんで大手外食の人間として、ちょっと言っとくか。
カレーの外食チェーンの大手がココイチしかない理由として、
1)ハウスとエスビーがカレー粉を独占していて、カレーチェーンがデカくなると資本を入れさせないと供給しないと脅す
2)全国規模の大手カレーチェーンはココイチしかなく、実際にハウスの資本が20%程度入っている。そしてハウスがココイチにカレールウを提供している。
3)その他のチェーンは、ハウスやエスビーに乗っ取られたくないので、全国規模に成長できない。
これ、全部嘘ですよ。
もともと業界のアホどもがテキトーに言ってた話を某有名人がブログだがメルマガで広めた都市伝説だよ。
実情はだいぶ違う。
1)ハウスやエスビーもスパイスは商社などから買っていて独占できるわけがない。
固形のルウに限って言えば、装置産業なので大量供給して安く販売できるのは大手3社(ハウス、エスビー、グリコ)だけ。
だがレトルトや冷凍のカレーは、多数の大手が群雄割拠している。
そんな状況で、ハウスやエスビーが資本を入れることを強要できるわけがない。供給元はたくさんある。
2)ハウスがココイチに資本を入れて、カレーを供給してるのは事実。
だが全国規模のカレーチェーンはココイチだけじゃない。
カレー専門チェーンはココイチだけかもしれないが、牛丼チェーンでもカレー売ってんだろ。
店舗数は牛丼チェーンが圧倒的に多い。だから、日本一のカレーチェーンはココイチじゃない。
牛丼屋の方がたくさんのカレーを売ってんだよ。
3)ココイチよりたくさんのカレーを売ってる牛丼屋たちにハウスやエスビーの資本が入ってんのか?
牛丼屋のカレーコンペにハウスやエスビーも参加してくるけど、フツーにニチレイとかアリアケとかに負けたりする。
とくにハウスなんかは外食でカレーの供給元を選ぶ立場から見ると、あんまり存在感ない。家庭用では強いんだろうけど。
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あっ、そうなんだ。文中の業界のアホどもってホリエモンのことだと思うけど(特に下記の記事)、
カレーは粉モノビジネスの優等生だ
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で、カレーである。カレーも複数のスパイス粉を混ぜ合わせたものである。だから粉モノビジネスなのだ。今日本でこの粉モノの供給はたったの二社グループが寡占している。ハウス食品とS&Bだ。香辛料の輸入をしているGABAN社も既にハウス食品グループである(味の素が親会社なのだが)。
このカレー粉の原料生産の寡占構造こそ、本文記事にある大規模カレーチェーンがココイチだけになっている大きな原因なのである。私はカレーが大好きでそれこそ、一店舗だけしかない小さなカレー屋から数店舗のカレーチェーン、そして数十店舗のカレーチェーン、そしてココイチまで色々なところの人に会って話しを聞いてきた。一店舗だけなら店主が毎日仕込みをすればいいだけの話で問題がないのだが、2店舗・3店舗になると味を保つためにカレーの仕込みをするのがいきなり大変になる。セントラルキッチンを持てる規模でもないので、自宅などで寸胴鍋を複数置いて毎日仕込むのは重労働で、複数店舗を維持するのを断念する店主も数多くいるらしい。
そこから店舗を増やすには大手二社にレシピを渡してカレールウを供給してもらうしかない。実際数十店舗規模の会社はそうしているらしい。味を均一に保つにはそれこそ数百種類あるスパイスを年間を通して安定供給できないと不可能だからだ。しかし、ここからがいやらしい話なのであるが人気が出てもっと店舗を増やそうとして自社工場にセントラルキッチンを整備しようとするとどうやらこの二社から「うちの傘下に入らないとスパイスの供給をやめる」旨の打診があるのだそうだ。
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これ完全に信じていた情弱は私です・・・。
たしかに牛丼大手3社、カレーを大量に売っているのは誰もがわかることだけど、調べたら大手株主に
エスビーもハウスもないね。
松屋[8237] - 大株主 | Ullet(ユーレット)
ゼンショーホールディングス[7550] - 大株主 | Ullet(ユーレット)
吉野家ホールディングス[9861] - 大株主 | Ullet(ユーレット)
こんなでたらめなことを私は見抜けなかったのか・・・。そしてこんな重要な記事をなんで消したんだ?