いや、これすげぇわ。めちゃくちゃすげぇわ!まさかのミニシアター系の低予算映画で大当たりを
引くことになるとは思わなかった。今年観た映画の中で、今のところダントツなんだけど!
この「ヤクザと憲法」という映画の存在を知ったのは今日、この記事を読んだから。
「ヤクザ辞めて喰っていけるの?」暴力団の背中にうつる社会という地獄「ヤクザと憲法」
これによると、どうもめっちゃリアルなヤクザの日常が描かれているということで、興味を持って、
書いたのがこの記事。
何これ!観たくなったわ!「「ヤクザ辞めて喰っていけるの?」暴力団の背中にうつる社会という地獄「ヤクザと憲法」」
で、ポレポレ東中野でやっていることがわかったから、その日のうちに観に行ったと。
ポレポレ東中野は前に一度だけ行ったことがあって、「問題のない私達」とかいう、沢尻エリカや
黒川芽以らが大きく売れる前に出ていた、これまた低予算映画をそのときは観たんだけど、
これがつまんなくて、まぁミニシアター系の映画なんてこんなもんだよねぇ、というのがその時の
感想だった。
それが今回の「ヤクザと憲法」観たら一変よ!だってさぁ、ヤクザ事務所での普通のヤクザの
日常を観ることができるんだよ!めっちゃすごくね?学生の一日とかサラリーマンの一日とか、
まぁキャバ嬢の一日とかもなんとなくは想像できるじゃん。でも今回のはヤクザだからね。
普通の人は全く想像もつかない世界なわけよ。
ちなみに、この映画、かなり人気みたいで、96席の座席が9割方は埋まってた。ミニシアターの
映画で、1月2日から上映し続けているものが未だにその状況だからね。当日直前に行って
座れはしたけど、あまりの盛況ぶりにびっくりだわ。
客層も、いつも新宿のバルト9あたりで観ているアニメ映画とかと違って、怖い格好したお兄さんも
ちょっといたのが面白かった。 でも、その人達、普通に静かに観てたけどね。こんなことはなかった(笑)。
先週、指定暴力団に密着したドキュメンタリー映画『ヤクザと憲法』を近所のミニシアターへ観に行きました。幸か不幸か、前後の席をリアルに怖い人たちに囲まれて、座席の背もたれを蹴る、大声を出す、突然立ち上がるなどをされるも文句も言えず、4DXみたいだなと思いました。— みよるみよる (@miaulemiaule) 2016年1月30日
さて、映画の話に戻そう。もうネタバレとか気にせず書きたいことをどんどん書いていく。
どうせここで多少ネタバレしたところで、実際に観たほうが100倍面白いから!これを1800円で
観られるなら全然お得だよ。
えーと、今回の舞台は、大阪西成にある東組の二次団体である清勇会。◯◯組だと一番偉いのは
組長なんだけど、団体名が◯◯会だと一番偉いのは会長になる。この会長がめっちゃイケメン
なんだよ。普通に任侠映画で主役を張れるレベル。乙女ゲーなら正規ルートレベルだね!
この真ん中の人が東組清勇会の川口和秀会長ね。動いている方がイケメンぶりがわかると思う。
まぁ会長の圧倒的イケメンぶりは一旦置いといて、この映画の面白いところは、何と言っても
ヤクザの日常が見えるところよ。
清勇会の事務所、そんなに大きくなくて、普通によくある中小企業の事務所みたいな感じ。
1階が駐車場で、2階が事務所、3階が集まって会議をしたり、寝たりする畳の間って感じかな。
全員じゃないんだろうけど、組員の何人かは、ここに住み込んで暮らしているのよ。住み込みで
共同生活をしているってのが面白いと思ったわ。でも他のアパートで暮らしている人もいるみたいよ。
まぁやっぱりヤクザの事務所だから、事務所の前を映す監視カメラが4台バッチリあったり、
いかつい置物みたいのがあったりするのは想像通りという感じ。ただ、いる人はホント普通の
おっさんという感じ。上記画像の右側にいる若頭だけは体格もでかいし、コワモテだし、下っ端に
暴力も振るうしで、ザ・暴力団組員、という感じなんだけど、それ以外は、なんて言えばいいんだろ?
地方競馬で競馬新聞握りしめているような感じの普通のオッサンって感じかなぁ。タバコはなんか
ぷかぷか吸っている人が多かったね。
銀行口座を持てないせいで、イマドキ現金でお金のやり取りをするシーンが多かったね。
万札何十枚も数えて封筒にいくつも入れたり、子分へのこづかいを渡したりとかね。
どうやってお金を稼いでいるのかは、鈍い私は映画の本編見てもイマイチわからなかったな。
どうも覚せい剤のやり取りや、野球賭博とかでお金を稼いでいるみたいだけど。
観ていて、多くの人が感じたことだろうけど、なんか警察とか権力側が、正義の名のもとに、
不当に彼らへの人権侵害をしている点はかなり不快感を覚えたね。
なんていうんだろう?ヤクザの資金源を断つってのは、それだけ聞けば悪く聞こえないけど、
彼らがまっとうな仕事で稼いで慎ましく生きていくみたいな、そういう機会まで根こそぎ奪って、
更生するにできない、みたいな感じがしたんだよね。
後は不当な弾圧ね。例えば、親が暴力団員というだけで、子供まで幼稚園や保育園に
入れなかったり、銀行の申込書の「私は暴力団員ではありません」のところにチェックを付けて、
あとで暴力団員だとバレたら詐欺罪で逮捕とか、いや、さすがにそれはやり過ぎじゃね?って思ったわ。
映画本編で出てきた、組員の車がぶつかったから、相手の保険会社に修理代を請求したら
逮捕とか、保険金詐欺で逮捕されていたけど、それも彼らの主張では、車の修理代を払ってまで
自分の車をわざわざぶつけたくはないし、修理代請求だって、そんなに不当に上乗せできる
ものでもないというのは、たしかにそうだなと思うし、結局彼らは、何かしら言いがかりを付けられては、
正義の名のもとに警察の不当な逮捕、家宅捜索を受けるという人権侵害を受けている印象を
すごく持ったわ。
その組員に対してもそうだけど、協力する人に対しても、同じように権力側は言いがかりを付けては
逮捕・起訴みたいなことをやっていて、山口組の顧問弁護士をしている山之内幸夫弁護士に
対しても、本来は罰金で済むような些細なことで起訴をして、執行猶予付き懲役に処して、
弁護士資格を剥奪するみたいなことをやっていたね。
この山之内弁護士に関しても、本来的にはヤクザの顧問弁護士をするメリットはないんだよね。
ヤクザも今は金がないから、山口組からの顧問弁護料なんて月10万しかもらえないし、周りからの
目も悪くなって、家族にも肩身の狭い思いをさせるし、警察・検察などの権力側からいちゃもんを
付けられて逮捕起訴されることも多いしで、儲からないから昔は5人いた事務員も1人になって
いるしで、金銭的にも評判的にもデメリットしかないのよ。
でも彼がそれでもなんでやっているかというと、やっぱり彼の義憤的な、ヤクザが不当に権力側の
弾圧を受けているというところを踏まえての行為のように、映画を観ていて感じたね。
なんか、家宅捜索のシーンとか観ていても、完全に警察のほうが横暴なんだよね。撮影陣にも、
組の事務所から彼らは撮影許可をもらっているのに、家宅捜索に来た警察が、勝手にカメラ
止めろとか言いながらカメラをバンバン書類で叩いたり、本編観たらわかるけど、めっちゃ不快だよ。
お前ら何様なんだよって感じ。
とにかく正義の名のもとに、いちゃもんつけて人権侵害を平気でやるような、権力側の横暴さは
すごく不快だったね。カタギの仕事をやろうにも、会長が言うように「誰が受け入れてくれる?」
という状態だから、どうしようもないしさぁ。
組員の話も、聞かせるものがあって、世間にいろいろ裏切られて、食うに困ったペンキ屋に、
食事と住むところを与えてくれたのが会長だったとか、組員になったきっかけとして、なるほどと
思うところはあるよ。
なんかもう、書きたいことを延々と書いているから、まとまりが全く無い文章になってしまって
いるのは、自覚はあるのだけど、とりあえず私が言いたいのは、この映画、めちゃくちゃ面白いから、
観に行く価値は絶対あると思う。ぜひ観てみて!って感じ。全力推しで面白いと思う。
公開劇場は下記。東京だとポレポレ東中野、大阪なら阪急十三駅が最寄りの第七藝術劇場ね。
公開劇場 | 映画『ヤクザと憲法』公式サイト
予告編はこれ。
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