2014年12月31日水曜日

4gamerのドワンゴ川上会長と任天堂岩田社長の対談記事が超面白い!

任天堂・岩田氏をゲストに送る「ゲーマーはもっと経営者を目指すべき!」最終回――経営とは「コトとヒト」の両方について考える「最適化ゲーム」
この記事、めっちゃ長いけどものすごく面白いな。結局1時間以上読んでいた気がする。
1ページ1ページがものすごく長いんだけど、内容が濃いな。

ちょっと個人的に面白かったところを、目次がてらメモっておこうかなと思う。


1ページ目
・マリオの生みの親、宮本茂専務のアイデアの定義「アイデアとは複数の問題を一気に解決するもの」
・ジブリ宮﨑駿監督の映画の作り方「素敵だなと思うシーンをたくさん描いて、その間を繋げていくストーリーを作る」
・宮本氏もゲームを作る際にはストーリーや設定からではなく、まずユーザーに体験させたいコアな体験、遊びを作ってから、それをマリオでやるかゼルダでやるかを決めるという順番
・ネットのせいで好みが細分化され、ゲームが売れなくなったというのは誤り。大ヒットか小ヒットの2極化しており、中ヒットがなくなったのが正解。例えばニンテンドー3DSはダブルミリオンタイトル(200万本売れたタイトル)がここ5ヶ月で4本も出た
・映画なども同様で、アナ雪は大ヒットしたし、千と千尋の神隠しはテレビ放映で視聴率19%を記録。放送回を重ねるごとに視聴率が上がっていくという現象が起きている
・東日本大震災以降「共通の話題」が求められている傾向がある


2ページ目
・岩田氏は任天堂の経営企画室長時代もプログラムに関わる仕事をしていた。プログラムコードのレビューなど
・岩田氏はインターネットがない自体のプログラムを体験しているので、当時の暗号解読のような作業のお陰で仮設構築力が鍛えられた
・岩田氏が考える成長する人は「自分の担当領域以外に野次馬根性と興味がある人」


3ページ目
・岩田氏による自分の強みを見つける方法「労力の割に周りが認めてくれることが自分の強み」
・岩田氏は当初はHAL研究所のスーパープログラマーだったが、経営危機に陥って社長をやることになった
・借金している会社の社長業は、お金も人も時間も足りない中での究極の「最適化ゲーム」
・川上氏はどうでも良い会議や説明に時間を割きたくないから社長業を頑なにやらない
・会社を経営していると「ヒト(感情)」と「コト(論理)」の両方を考える必要があるが、両方出来る人は少ない
・岩田氏は元々コト(論理側)を考えるのが得意な人間だったが、たまたま会社が危機的な状況に陥ったため、ヒト(感情側)の問題に向き合わざるを得なくなった


4ページ目
・問題解決を突き詰めていくと、ヒト(感情)の問題も論理記号に置き換えてロジックで解決できることに気づく
・川上氏いわく、ウェブ系のエンジニアは汎用的に設計するが、ゲーム系のエンジニアは現実的な設計をする。つまりは、スムーズで快適な動作をユーザーに保証するために、無限にユーザーがいても平気とか、ゲームを大量に登録しても無限に画面に表示できるみたいな設計をしないという意味
・ドワンゴ川上氏と任天堂前社長山内氏の方針「競争すると負けるから、よそがやらないことをする」。力勝負というのは例えば営業力勝負などを指している。リクルートなどが得意な分野
・iPhoneやAndroidなど、スマートデバイスのプラットフォームの会社にはコンテンツの価値を高くする動機がない。彼らにとってコンテンツは客寄せでしかない
・任天堂は逆にコンテンツを売りたいからプラットフォームを作っている(これ、たしかにそうで、売り手側の事情で言うと、ハード売っても利益は5%くらいにしかならないが、ソフトが売れれば20~30%くらい利益が上がるというのがゲーム販売店側の実態。任天堂自体もハード販売ではそんなに利益を出していないと思われる)
・コンテンツを消耗させたくないから、バーチャルコンソールという過去作のダウンロード販売コンテンツも、一度に全部出したりはせず、小出しにリリースしている


5ページ目
・ゲームはハードをなるべく薄いレイヤーのAPIで叩いて、少ない電力と性能ですごい絵を出せるようにしている
・ニンテンドーDSで実現した、折りたたんだらスリープになる機能はゲームボーイアドバンスSPで実現できなかった悔しさを反映したもの
・新しい提案をすると、賛成派2割、反対派2割、残りどっちでもない6割がいる。これを頑張って努力して賛成派33%の状態まで持って行くと、臨界点を超えて、残り6割も賛成派に転じ、物事が成功へと向かう
・新しい提案の賛成派を増やすためには、まず小さな結果を出して見てもらうことが大事
・リーダーシップとはみんなが納得したりそうだと思っていることを実行する人ではない。それならそのリーダーはいらない
・川上会長は実は会社内で権限を持っていない。人事権も決済権も持っていない。ただ社内にキーマンはいるからその人にお願いをして願いを叶えてもらったりする
・着メロもニコ動も、いつも小さなチームで他の部署の協力を仰がずに作ってきた
・東京ゲームショウなどに出展をしない任天堂が、ドワンゴのニコニコ超会議や闘会議などに協賛をしているのは、「ユーザー主体のイベント」だから。供給者視点だけでイベントをやってもゲームの未来が明るくなるイメージが湧かないと考えていた時にニコ動のイベントを見て、こういう方向ならありだと思った


なるほどね。それぞれのページ、内容がものすごく濃いんだけど、最後のニコ動のイベントに協賛する
理由は今回はじめて知ってへぇってなった。東京ゲームショウ、行ったことある人は知っていると
思うけど、任天堂は出展していないのよ。他はソニー、マイクロソフト、スクエニ、カプコンなど、
ハードメーカーもソフトメーカーも軒並み出展しているのにね。その理由が今回わかった。
そういうことだったのか。


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井上 理
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